2017年5月21日日曜日

モータをつくってみる 3

とりあえず自作プロペラの方向性が決まったところですが 
モータの方も大分研究が進みました
今回新しいテスト機器を導入したので、まずはこれの紹介から・・・・

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以下の記事は全てNONSAYAが勝手に実験、解析等を行っています。
間違っていることもたくさんあるということをご認識願います。
モータの実験は大電流を流しますので過電流によるバッテリの発火等の危険が
予想されます、実験を行う場合は正しいバッテリーの管理の元、万が一の予防のため
簡易消化器等の準備をお勧めいたします。
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今回導入したのはTyto Robotics社のRcbenchmark1520

スペック

  • 電圧: 0-35Vまで
  • 電流: Up to 40A平均  50A バースト
  • (デフォルトでは50Aまでですがサポートにメールすると解決策が指示されます)
  • 電力: 0-1400W
  • 推力: ±5 kg
  • 回転数: 100000 RPM
  • USB インターフェース
  • ESC マニュアルコントロール
  • 他に3個のサーボをコントロール
  • CSVファイル出力
  • リアルタイムセンサー出力
  • 自動テスト、自動記録
  • スクリプト記述によるコントロール
  • 安全リミッタ

といたれり尽くせりの機能で、
なにが凄いかというとESC出力から信号を拾い回転数の表示、
CSVファイル形式での保存(エクセル、MATLAB等で解析できます)
C言語ライクなスクリプト記述によるユニークなテスト方法の構築など
今まで手作業で行ってきたことがほぼ自動で行え
しかも使い慣れたエクセルなどで解析できるのは助かります。


まずは本当に表示される回転数が合っているのかどうか確認致します


モータをセットしてマニュアルで回転させます


現在4990rpmを表示しています
(コントロールソフトウェアはchrome上で動作する
クロームアプリと呼ばれる物です)

この状態で光学回転計で計測します
4991rpm ほぼ合っています。


といい感触を得たところで前回の続きであるEMAX2306のテストを行います


まずはデフォルトで搭載されているKV値測定のスクリプトを実行します

KV値は2647と出ました、個体差もありますので確認のため別の
モータも測りましたが同じような値でした、これで2750KVというのはちょっと
眉唾っぽいですね。
色々なモータを測りましたが大抵は表記よりも50~100ぐらいは
下になる気がします。


で前回できなかったスラストテストをします
このテストは搭載されているスクリプトを私が少し改良し使用しています。

プロペラは全てGEMFAN5152
(今回のテストは全てこれ)





このようにデータは全てCSVファイルにて出力されますのでエクセルなどで読み込むことでグラフ等にでき視覚的に判断ができます


しかし凄いパワーですねデフォルト状態でスラスト1.7kg弱、
電流はほぼ60A流れているので電力は900W超えです。

では前回0.65mmワイヤーで巻き直したカスタム品はどうなのでしょうか?
詳細は省きますがKV値は2750、電流は64Aまで上昇しましたがスラストはほぼ
同じという結果でした、もはや5インチプロペラでは限界なのでしょうか?

次回は6インチプロペラでデフォルトとカスタムの比較をしたいと思います。






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さてここからが今回の本題です、
「モータをつくってみる 1」で紹介いたしましたBANGOODのこれ


i-motorと名付けたこのモータ、一体どれくらいのパワーが出るのでしょうか。
まずはこのキットに付属の0.45mmワイヤーで回してみます

巻き方は全てdLRK Evolution巻き 9ターン



KV値は2500でした


中々良い結果が出ました!
スラストは1.25kg,電流は40Aと2206モータでは一般的なモータですが
自分で巻いたモータだと思うとちょっと感動です。



では0.5mmワイヤーで巻いたものはどうでしょうか?

KV値は2600でした


スラストは1.4kgまで上昇し電流は47Aになりました
まさかここまで行くとは思いませんね、

ここまで来るとレースに使えるのではないでしょうか?
単純にワイヤー径を太くするだけで
パワーが上がることがわかります。

では0.55mmワイヤーなら・・・・・
もはやこの径になると巻くのが難しく断念です。


そこで・・・・XXXXXXXXXXX
ここから先はレースをやっている以上書けません
結果だけ表示します。
(知りたい方はFB、メールで・・・・)

KV値は驚きの2800!!




スラストは1.6kg弱,
電流はほぼ60Aなので電力は900W越えをマーク

グラフを見るとわかりますが最高推力こそEMAX2306に劣りますが
中間域ではむしろ2306より推力が上です。
電流が凄いですが、自作モータでこの数字・・・凄いですね。














































2017年5月16日火曜日

プロペラをつくってみる 2

3Dプリンタで作ったプロペラが果たしてFPVに使えるのか?
さらにレースに使えるのかどうか?

結果的にいうと・・・・・・

FPV・・・・普通に使えます
レース・・・努力次第!

ただ市販品より性能のいいプロペラを作るのは
数多くの試作と実機でのテストが必要になります。

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以下の記事は全てNONSAYAが勝手に実験、解析等を行っています。
間違っていることもたくさんあるということをご認識願います。
プロペラの製作及び実験は大変危険を伴います、実験を行う場合は
保護具(メガネ等)の着用を推奨致します。
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さて前回では試作のプロペラを製作し、テストしてみるところまでで終わりました・
今回はそれ以降の製作と実験の記録です。

積層型3Dプリンタの宿命としてどうしても積層痕が残ります(等高線のように)
さらにオーバーハング部分はサポート材と言うものを作り最後に撤去するのですが
この際サンドペーパーなどで仕上げになります、ですから作りたい大きさよりも多少大きめ
に設計しておいて、ペーパーで仕上げるようにするのですが
これがプロペラレベルの薄さになってくるとかなり厄介です。

最初一番厚い所で1.5mmで製作したのですがなんとなく強度的に問題ありそうで、その後
2mmで製作し、結局1.7mmで落ち着きました、



そんなことで1週間試作を繰り返しやっと本日実機でのテストになりました。



モータ、アンプ他いつもの機体にプロペラだけを交換しまずは
目視でホバリングできるのか?
急激なアップダウンに耐えられるのか?のテスト・・・・・





動画を撮り忘れましたが(^_^;)なんの問題もありません
(ギャラリーは相当引いていましたが(^^))


で問題なさそうなのでFPVでのテストを行いました・

ここからは動画で・・・・
字幕をONにして御覧ください。




まず普通に離陸できたことに感動していると、もの凄い違和感を感じました、
なにって物凄い早いこと!動画ではターンの止まりこそスロットルを入れていますが
ストレート他はほぼ50%入れていません、
かつ曲がらない、止まらない、下がらない・・・

スロットルを抜いても下がってこないのはちょうどRiftOffで飛んでいるような感じ
とてもゲートを潜ろうなんて気は起きないレベルの直線番長です(^^)

ただストレートの速さはもの凄いです、止まれませんが(^^)

そんなことで驚いていると突然ブラックアウト、墜落です。
あとで調べると相当な電流が流れていたようで
バッテリは、ほぼ新品のキーリン1550mah 90Cなんですが
1分半飛べませんでした。電圧は8Vまで落ちてご臨終です。

推測として、ピッチの深すぎ、翼重心が外側過ぎで慣性モーメントの増大
結果回転上がりにくい、下がりにくいのが原因でしょうか?

とくにピッチに関しては特に計算で設計しているわけではなく適当ですから
しょうがないですね(^^)半分飛べるわけないと思っていましたから。


結果、当初の実験の目的は達成しましたが、あとは数多くの試作と実機でのテスト・・・
いかに市販品のプロペラが優秀なのかがよくわかりましたm(__)m











































2017年5月8日月曜日

プロペラをつくってみる 1

こんな流れはなんとなく見えていました、モーターをいじりだすとどうしても最終出力のプロペラまで絡んでくるのは当然のこと

ただプロペラ・・・・奥が深すぎです(^^)結局は翼の一種でありそうなると翼型等の長い長い歴史があり先人たちの探究心は半端じゃありません。

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今だからこそ言えますがドローンレースを始める昨年の10月までハッキリ言って
ドローンレース・・・バカにしていました 何がと言うとあのデザイン・・・
単純に真っ黒な板にモータを付けて飛ばすという無骨そのものが・・・
(基本今でも何もかわっていませんが)

そこでこんなデザインを設計し3Dプリンタで製作するということを行っていました
thingiverseなどで2種類ほど発表しています。

Clarity


DroneRacer220

上記のような物をABSで作るわけですが1つのパーツを作るのに
丸1日かかるのは当たり前の世界でして、

3Dプリンタ経験者ならわかると思いますがABSの大物作品は難易度が非常に高く、
フィラメントの選定から、ベッド温度、ノズル温度、雰囲気温度他かなりの経験値が
必要となり私もそれなりにお金と時間を費やしてきたわけです。

そんなころよく見ていたこんなでデザインで・・・・

プロペラを3Dプリンタで作るというデザインですが、
ラジコン仲間に話すと散々に言われていました「そんなものダメに決まっている」と・・・・・

私的にもまず遠心力に耐えられない・・・と思っていましたし
スラスト方向の力にも耐えられないんじゃないかと思っていました。

ですから、ネット上でデザインの発表はあっても実機で飛ばしているような
写真、動画は未だ私は見たことがありません。
(あるなら教えてほしいです)

がしかし・・今回モータのチューン等を行ってみるとそれに見合ったプロペラも
必要となることがわかり、ならば以前から思っていた積層型3Dプリンタを使ったABS製プロペラの製作、実験(レースに使えるのか等)を行ってみようと思います。


まずは遠心力に耐えられるのか?です
現在のレース用に使うモータは回転数が高く、
例えば今回実験に使用するモータはKV値が2750,15Vで回すとざっと41250回転になり
この回転数に耐えられないのであれば
そもそもこの先の実験もないわけです。





でこんなフラットなデザインで・・・
プロペラ厚みは2mm、直径5インチで設計しました。


で回してみます、・・・・・
なんの問題もありませんというか触った感じが最初から問題なさそうです。

ならば・・・・・

このプロペラを見本に

適当にデザインしてみました、断面は翼型ではありません。


さっそくプリントアウト、約1時間かかります


サポート材を除去、ペーパーで仕上げ


さっそく回してみます、




なんか、これ行けるんじゃないでしょうか?????
次回は実機テストを行ってみたいと思います。






























2017年5月5日金曜日

モーターをつくってみる 2

なんとなく薄々感じていましたが、色々調べていくとやっぱりヤバイ領域に手を出してしまった感が多々あります、モーターから始まると当然プロペラまで絡んでくるのは当然になり、そうなると空力関係の奥深い闇が横たわっていまして・・・・・・




モーターをつくってみるシリーズ2回め、やはり既存のモータの構造がよくわからなくてはどうしようもありませんので今回はJDL 第2戦 日本航空学園のために用意した
EMAX RS2306 2750kvの分解、解析してみようと思います。

以下の記事は全てNONSAYAが勝手に実験、解析等を行っています。
間違っていることもたくさんあるということをご認識願います。



結局レースまでに到着しなくてお蔵入りになっていました。

まだ未使用です、
このように意味もなくモータばかり増えていきます(^^)


まずはアウターロータの取り外しですが、このアウターローターCリング等ではなくねじ込み式です、これはDYS FIRE等も同じ方式ですがネジの締め混み具合で廻りがかわりますので私は好きになれません。


まずはコイルの細さに驚きです。

アウターロータ自体特別なことはありませんが、このバランスの為に付けたプラスチック状のもの、これハードな使用ですと砂利類が噛んで
すぐ取れちゃう物なんでいただけません。
因みにMultiStarなどは金属系接着材っぽい物です。



2306の名前の由来通リステータ直径は23mmです。


まずはベアリングを取り外し。ステータをモータベースから外します。


がしかし、このモータ、ステータとベースに接着剤が塗られているようで簡単には外れてくれません、あまり力を入れると柔らかいベースがすぐ曲がってしまいます。
そこでホットガン温度を300度に設定し


3分ほど熱し、ステータ自体を焼きます。


両側からマイナスドライバなどで少しずつ上げて取り外します。



なんとか綺麗にはずせました。でワイヤーの直径、巻き数を調査してみます


結果ワイヤーは0.15mm,7本依り,dLRK Evolution巻き、7回ターン。

巻きターンが少ないほうが高回転とどこかでみましたので2750kvならではなのでしょう、
不思議なのは0.15mmワイヤー7本依りの部分です、合計の断面積は0.123平方ミリになります、これは0.4mmワイヤーの断面積と同等です。

大電流を流したいハイパワーモータなのになぜ?というところでしょう。
表皮効果をきらって細い線を依っている可能性も考えられますがこの程度の交流周波数なら最大回転数でも損失1%以下です、考えられるのは量産時の巻きやすさでしょうか?

そこでさらなるパワーを模索するため、0.65mmワイヤーで巻き直してみます。


購入はもちろんオヤイデ電気、揃わない電線はまずありません。

エナメル線といってもUEW(ポリウレタン),PEW(ポリエステル),AIW(ポリアミドイミド)の3種類があり耐熱性能が違います、一番耐熱性が高いAIWは250度まで耐えますが
100度程度で希土類磁石(ネオジム等)が減磁し始めるので意味がありません。
大抵のモータはPEWで十分です。


0.65mmですと7回ターン・・・・限界かもしれません。


なんとか巻けました。


電線を接続して・・・・


ベースに組み込みます。



ベアリングを挿入し


完成です、名前はもちろんEMAXではなくIMAXとしました(^o^)



左がオリジナル、右がカスタム
配線の太さがわかるでしょうか?

さて結果どうなったのか?ノーマルとの比較をテストしてみましょう・・・・・
なんですが・・・・・


2つともほぼ同じ結果になりました・・・なぜなんでしょうか?
推力が約1.1kgなら前回の2206 I-MOTORと同じです。

がしかしここで思うことがあります、プロペラがGEMFANの5152なんですが
多分推力1.1kgあたりが限界推力なんじゃないかと?

こうなるとRACEKRAFTの5051は1kgあたりに限界推力があるような気がします。

このEngineerXさんのYOUTUBEなどではノーマルでも1.7kgとなっています、

このEngineerXさんのテストされてるモーターがサンプル品の特別な物なのかは
わかりませんが、プロペラも数種類もっていないとちゃんとしたThrustTestが
出来ていないような気がします。

ということで、今回の実験は測定する環境が整っていないことが露呈される実験結果となってしまいました、プロペラの種類を増やし測定機械をもう少し良いものにし再度実験を行ってみようと思います。